ごめんなさい、ありがとう
2月初めに癌の宣告を受けて、ちょうど母の最期期と重なり、仕事もあって、なかなか余裕のない日々を送ってまいりました。
母の葬儀、通院、ピアノ協奏曲の練習、合わせ、本番、母の葬儀にお心をお寄せをくださった方々へのお礼、CTスキャン、MRI、四十九日法要、子宮掻爬手術、癌摘出手術。
これまでの人生の中でこんなにやらなくてはならないこと(しかもそれぞれがヘビー級)の詰まった三ヶ月は初めてでした。
これからも母の終の住処の片付け、お墓のこと、仏壇のこと、など、向き合わなくてはならない大切なことがまだ山積みです。
それと同時に、癌患者になってみて、余命をチラリと考える立場になってみて、残される家族の、持続可能な生活、ということも考えるようになりました。
そんななか、私が抜けた後、手が回らなくてよそ様にご迷惑かけてしまうことは……と考えてすぐに思い当たったのが、庭の樹木の管理でした。
我が家の庭には、お隣との境に自慢のキングサリ(英名 gold chain)が2本植っています。キングサリは、その名の通り、花期には金色の鎖のような、黄色い藤の様な姿の花を楽しませてくれるのですが、その小さい無数の花殻が我が家の庭のみならず、かなりお隣の敷地内に落ちていました。
花の時期には、毎朝箒で掃かせてもらうのが日課だったのですが、朝のそれで間に合うような数ではなく、ご迷惑をおかけしていました。
お隣の奥様は子育て仲間で、仲良くしてくださる方なので、時々お詫びをしつつ、ご迷惑をおかけすることに恥入りつつ甘んじてきました。
でも、これからはその程度の迷惑では済まなくなる。キングサリには本当にかわいそうなことだけれども、背に腹は変えられない、伐採するしかない、と、手術入院の前の、新芽が動く前に伐採していただきました。まだ自分で責任が持てるうちに切ってしまわないと、と心に言い聞かせて。
伐採の朝、樹の幹に手を当てて、心の中で「ごめんなさい、これまで本当にありがとうございました」とお詫びと感謝を伝えました。
今でも切り株を見ると悲しくなります。
下の写真は、7年前、在りし日のキングサリと在りし日の義母。
キングサリの下のベンチがお気に入りでした。
ごめんなさい、そして本当にありがとう。
*****************************


コメント