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ハ長調という調で弾くことの

ハ長調、ドイツ語ではC dur(ツェー ドゥア)。
装飾のない、基本の、混じりっけのない調。
鍵盤楽器にとっては、黒い鍵盤を用いずに白い鍵盤だけの調。
始まりの調。
ピアノ学習の初めにおいては、シャープもフラットもつかないハ長調は読譜が容易なのでよく使われます。
でも。
高度な鍵盤技術を用いる芸術音楽をピアノで奏するには案外弾きづらい調だったりします。
ベートーヴェンの32曲のソナタの中でハ長調で書かれたソナタは2曲のみ。
ベートーヴェンの「ハ長調ソナタ」と言えば通常 第21番の『ワルトシュタイン』大ソナタを指しますが、まだハイドンの元で学んでいた最初の作品群(作品2の三曲)の最後の曲もハ長調です。ワルトシュタインに比べると、かわいい雰囲気の曲ですが、冒頭に重音のトリルがあり、ここでいきなり戦意喪失。。。の演奏困難箇所です。
これが、ハ長調ではない調で書かれていれば(黒鍵も使っての調ならば)、この重音トリルは随分弾きやすくなると思われます。
人の手の形は、親指だけが他の4本の指と生えている(?)場所が違うので、白鍵だけの重音のトリルに1の指(親指)を普通に取り込むことは、しかも速いテンポの中で弾くことには無理があります。(指使いの工夫が必要になってきます。)
速いテンポで弾く際には、うまく脱力することが鍵になってきますが、全て白鍵のハ長調においては、1指(親指)に比べて長い2、3、4指(人差し指、中指、薬指)をかなり丸く曲げなくてはならず、脱力や、セットとしてまとめて弾くことが難しくなってきます。
ベートーヴェンより40歳年下の作曲家、ピアノの詩人と呼ばれるピアノを知り尽くしたショパンは、手の形と鍵盤をセットで考えていたので、シャープやフラットのとても多い調を多用しました。譜読みは少し面倒臭くなりますが、ピアノをしなやかに弾くにはこの方が自然、と熟知してのことでした。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜
             。°。°。°。
ピアノ奏法的には大変なハ長調。
ワルトシュタインソナタにはこれでもか!というほどに難しい奏法が盛り込まれています。オクターヴのグリッサンドの嵐、とか(一度ではなく上から下から5回も続けざまに入ります・・・)右手の1、2指でトリルを弾きながら他の指でメロディーを長く弾き続ける箇所やら。。
演奏困難な箇所が続出です。。
でも。
この曲は、ハ長調じゃなきゃダメなんです。
ベートーヴェンさまが、耳が聞こえなくなったことを自覚し、遺書をしたため、絶望的な気持ちで森の中を歩き回り、程なく「音楽を書かなくては死ねない」と、穏やかな顔で戻ってきてくださった、そのあとに書かれた曲なのですから。
最強のベートーヴェンさまの、新しい始まりの曲ですから。
第一楽章:ハ長調
第二楽章:へ長調
第三楽章:ハ長調
短い第二楽章から間髪入れずに演奏するように指示されている第三楽章のハ長調の、霧の中から朝日が登るような美しさは、神の域です。。
幼い頃から、この箇所は涙無くしては聞けない私でしたが、今回演奏するにあたり、第二楽章最後のハ長調の第五音の響き、楽しく研究中です。
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